イルミネーションの歴史

今や冬の定番となったイルミネーション。診療室の近くの川沿いにも先月下旬から約22万球のイルミネーションの光が幻想的に光っています。そこで今回のコラムではイルミネーションの歴史について調べてみました。 イルミネーションの始まりは? イルミネーションの起源は16世紀。宗教改革で知られるドイツの「マルティン・ルター」が考えたとされているようです。1510年のある日の夜、クリスマス礼拝から帰宅する途中だったルターは森の常緑樹の間からふと見えたきらめく星の数々に感銘を受けたようで 自分の帰りを待つ我が子にも「この素晴らしい光景を見せてあげたい」と思い立ち、家の中に小さなモミの木を持ちこみ、枝の先端に星に見立て多くのロウソクを飾りました。中世ヨーロッパでは子どもは簡単に外出できず、星を見ることが難しかったそう。モミの木の枝にロウソクがきらめく光景は、きっとルターの子どもたちを喜ばせたに違いないですね。「子どもたちのため、モミの木に星をイメージした灯りをともす」というルターのアイデアは、徐々に広がりをみせ、のちにドイツの各都市へと広がっていくことに。これが、イルミネーションの源流となったようです。一説によるとルターがイルミネーションの起源だとする話は創作だとの見方もあります。しかし、ちょうどこの時期、クリスマスツリーにロウソクを飾る習慣が登場したことから、現在でもルターの説が有力と考えられているようです。なお枝の先端を選んだ理由はふたつあり、ひとつは先でも述べましたが「星を再現したかった」というもの。そしてもうひとつは、「木が燃えないように」というルターの配慮だったそうです。ロウソクを飾ることが主流だった当時、「燃えないように」との配慮があっても実際に火事が頻繁に起こっていました。「イルミネーションを楽しみたいけど火事が心配だな」と不安に思っていた人々を救ったのが、かの有名なトーマス・エジソンによって1879年に発明された白熱電球でした。発明からわずか3年後の1882年、マンハッタンで大規模な電球のデモンストレーションが行われたのですが、これが白熱電球を使用したイルミネーションの始まりだと考えられています。マルティン・ルターとトーマス・エジソン、生まれた時代も国も違うふたりの働きが今のイルミネーションにつながっていると考えると、なんだかロマンティックですよね。 日本でのイルミネーションの始まり 日本でのイルミネーションの起源は、1900年4月30日に行われた神戸沖での艦隊式です。夜の真っ暗な海面をイルミネーションで飾られた各艦隊が照らしたと言われています。 またその3年後、1903年(明治36年)には大阪での博覧会の会場正門にライトアップされたイルミネーションが評判となりました。そしてさらに2年後の1905年、明治屋が銀座に出店した際にイルミネーションを飾り、年々派手になっていく装飾に人々は夢中になったようです。当時の新聞にもその様子が掲載され、「華やか」だと記されました。このようにして、イルミネーションは当時の日本人の間で徐々に認知されていったのです。現在ではLEDが発明されたことにより、イルミネーションの規模が大きくなり、誰もが気軽に楽しめるようになりました。自宅の庭を彩る光景もよく見られますね。また近年では、空間や建物に映像を投影するプロジェクションマッピングとイルミネーションのコラボが行われるなどして注目を集めています。プロジェクションマッピングは、いわばイルミネーションの新しい形と言えるもの。時代の変化とともに、イルミネーションも少しずつ形を変えていくのかもしれません。

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